
目次
ヒートマップの基本を理解し、いざ分析を始めてみたものの、「スクロール率をどう改善すればいいかわからない」と感じていませんか?
スクロールヒートマップは、ユーザーがページのどこまで読み進めたかを可視化できる強力な分析手法です。 しかし、色の濃淡を眺めるだけでは、具体的な改善アクションにはつながりません。
重要なのは、スクロール率の低下ポイントを正しく読み解き、その原因を特定し、データに基づいて改善を進めることです。
本記事では、スクロール率の見方から、よくある離脱パターン、そして実際の改善ステップまでを体系的に解説します。 ヒートマップの基本編でヒートマップの概要を押さえた方が、次のステップとして「スクロール率改善」に取り組むための実践ガイドとしてご活用ください。
スクロール率とは?改善に向けて押さえるべき基本
スクロール率を改善するためには、まずこの指標が何を意味するかを正しく理解することが出発点です。 ここでは、スクロール率の定義と、改善を進める上で知っておきたい基準値の考え方を解説します。
スクロール率の定義と改善視点での捉え方
スクロール率とは、ページを訪問したユーザーのうち、特定の位置まで到達した割合を示す指標です。 たとえば「ページ中央まで到達したユーザーが60%」であれば、40%のユーザーはそれ以前に離脱したことを意味します。
改善の観点で重要なのは、単なる到達率の数値ではなく、どの地点で急激に低下しているかを見つけることです。 急落ポイントを特定し、その原因を探ることが、スクロール率改善の第一歩になります。
「良いスクロール率」とは?目安と判断基準
スクロール率に絶対的な正解値はありません。 ページの目的や長さ、業種によって適切な水準は変わります。
ただし、一般的な目安として以下の数値が参考になります。
ページタイプ | ページ下部(80%地点)到達率の目安 |
LP(ランディングページ) | 20〜40% |
ブログ・コラム記事 | 30〜50% |
サービス紹介ページ | 25〜45% |
重要なのは、他社との比較よりも「自社の過去データとの比較」です。 改善施策を実行する前後で、スクロール率がどう変化したかを追うことが、データドリブンな改善の基本になります。
スクロールヒートマップの正しい見方と分析の視点
スクロールヒートマップは「見る」だけでは価値を発揮しません。 どこに注目し、何を読み取るかという分析の視点を持つことで、改善につながるインサイトが得られます。
到達率の急落ポイントを見つける
スクロールヒートマップを分析する際、最初に注目すべきは「到達率が急激に下がっている箇所」です。
たとえば、ページ上部では80%の到達率があったのに、特定のセクションを境に40%まで落ちているケースがあります。 この「急落ポイント」こそ、ユーザーが離脱を決断した場所であり、優先的に改善すべき箇所です。
急落が起きやすい場所の例:
ファーストビュー直下(期待と内容のミスマッチ)
長文テキストが続くセクション(読み疲れ)
画像や動画の直後(読み込み遅延やコンテンツ切れ目)
ポジティブな離脱とネガティブな離脱を見分ける
離脱には「良い離脱」と「悪い離脱」があります。 この違いを見分けることが、正しい改善判断につながります。
離脱の種類 | 具体例 | 改善の必要性 |
ポジティブな離脱 | 必要な情報を得てCVに進んだ / 関連記事へ回遊した | 低い(むしろ成功) |
ネガティブな離脱 | 求める情報がなく離脱 / 読み疲れて離脱 / 表示遅延でストレス | 高い(優先的に改善) |
スクロール率の数値だけでは、どちらの離脱かを判断できません。 クリックヒートマップで「どこをクリックして離脱したか」を確認したり、セッションリプレイで「離脱直前の行動」を観察することで、離脱の「質」を見極められます。
セグメント比較で見えるインサイト
全体平均だけを見ていると、課題がぼやけてしまいます。 セグメントを切って比較することで、より具体的なインサイトが得られます。
比較軸 | 見えるインサイト例 |
デバイス(PC/スマホ) | スマホだけ離脱率が高い → モバイルUIの問題 |
流入元(広告/自然検索) | 広告流入の離脱が多い → 訴求とLPのミスマッチ |
新規/リピーター | 新規だけ途中離脱 → 説明不足・信頼感の欠如 |
セグメント別の分析により、「誰に対して」「どこを」改善すべきかが明確になります。
スクロール率が低いページの典型パターン5選
スクロール率が低いページには、いくつかの共通パターンがあります。 自社のページがどのパターンに該当するかを把握することで、改善の方向性が見えてきます。
パターン①:ファーストビューで期待とズレている
ユーザーは検索結果や広告を見てページに訪問します。 ファーストビューで「思っていた内容と違う」と感じると、すぐに離脱してしまいます。
よくある原因
タイトルや広告文とファーストビューの訴求がズレている
キャッチコピーが抽象的で、何のページかわからない
ビジュアルが古く、信頼感を損なっている
改善の方向性
流入元の訴求とファーストビューの一貫性を確認する
ユーザーの検索意図に合った見出し・コピーに修正する
パターン②:ページ中盤で情報が冗長になっている
ファーストビューは通過するものの、中盤で離脱が増えるケースです。 情報が多すぎる、または整理されていないことが原因であることが多いです。
よくある原因
同じような説明が繰り返されている
箇条書きや図解がなく、テキストばかりが続く
ユーザーが知りたい情報より前に、不要な情報が並んでいる
改善の方向性
冗長なセクションを削除または統合する
図解・表・箇条書きで視覚的に整理する
ユーザーの関心が高い情報を上部に移動する
パターン③:画像・動画で読み込みが止まる
重い画像や埋め込み動画の直後で離脱が増えるパターンです。 ユーザーは表示を待てず、ページを閉じてしまいます。
よくある原因
画像ファイルが最適化されていない
動画の自動再生が重い
特にモバイル環境で表示が遅い
改善の方向性
画像を圧縮し、適切なフォーマット(WebPなど)を使用する
動画は遅延読み込み(lazy load)を設定する
PageSpeed Insightsなどで表示速度を確認する
パターン④:途中のリンクで離脱している
ページ内に設置したリンクから、意図しない形で離脱しているケースです。 これ自体は悪いことではありませんが、CV(コンバージョン)に至る前に離脱されている場合は問題です。
よくある原因
関連記事リンクがCTA(コール トゥ アクション)より目立っている
外部リンクが同一タブで開く設定になっている
リンクの配置がCVまでの導線を遮っている
改善の方向性
CTA到達前のリンクを整理・削減する
外部リンクは別タブで開く設定にする
クリックヒートマップで実際にクリックされている箇所を確認する
パターン⑤:CTA(コール トゥ アクション)まで到達していない
ページ下部にCTAを配置しているが、そこまで読まれていないパターンです。 どれだけ良いオファーでも、見られなければ意味がありません。
よくある原因
CTAがページ最下部にしかない
ページが長すぎて、CTAまでたどり着く前に離脱している
CTAへの導線(ボタンやリンク)が途中にない
改善の方向性
CTAをページ内の複数箇所に配置する
スクロール率のデータを見て、到達している位置にCTAを追加する
追従型(フローティング)のCTAを検討する
データで進めるスクロール率改善の4ステップ
スクロール率の改善は、場当たり的に行っても効果が出にくいです。 データに基づいた4つのステップで、再現性のある改善サイクルを回しましょう。
ステップ1:現状のスクロール率を把握する
まずは、改善対象ページの現状を正確に把握します。
確認すべきポイント
ページ全体の到達率分布(25%、50%、75%、100%地点)
到達率が急落している箇所はどこか
デバイス別・流入元別でデータに差があるか
この段階では、まだ「なぜ」を考えず、事実としてのデータを収集することに集中します。
ステップ2:離脱ポイントと原因仮説を立てる
データをもとに、離脱の原因仮説を立てます。
仮説の立て方
急落ポイントの直前コンテンツを確認する
「なぜここで離脱したのか?」を複数パターン考える
前述の5つの典型パターンに当てはまるかチェックする
仮説は1つに絞らず、複数持っておくことがポイントです。 セッションリプレイを確認すると、仮説の精度が上がります。
ステップ3:改善施策を実行する
仮説に基づいて、具体的な改善施策を実行します。
改善施策の例
仮説 | 改善施策 |
ファーストビューで離脱 | キャッチコピーを流入元の訴求に合わせて修正 |
中盤で読み飽き | 冗長なテキストを削除し、図解を追加 |
CTAまで到達しない | ページ中盤にもCTAを追加 |
画像読み込みで離脱 | 画像を圧縮し、遅延読み込みを設定 |
施策は一度に複数行うと、どれが効いたかわからなくなります。 可能であれば、1つずつ実行して効果を検証するのが理想です。
ステップ4:効果検証と再計測でループを回す
施策実行後、一定期間データを蓄積し、効果を検証します。
検証のポイント
改善前後でスクロール率がどう変化したか
急落ポイントが解消されたか、移動しただけか
CVRや滞在時間など、他の指標への影響はあるか
効果が出ていれば次の課題へ、出ていなければ別の仮説を検証します。 このサイクルを繰り返すことで、継続的にページを最適化できます。
Wicleを活用したスクロール率改善の実践例
ここまで解説した分析・改善のプロセスを、実際に進める上で役立つのがWicleです。 Wicleはヒートマップとセッションリプレイを一つのツールで提供しており、スクロール率改善に必要な機能が揃っています。
スクロール率改善に役立つWicleの機能
機能 | スクロール率改善での活用 |
セグメント別分析 | デバイス・流入元ごとに離脱傾向を比較し、優先度を判断 |
期間比較 | 改善施策の前後でスクロール率の変化を定量的に検証 |
セッションリプレイ連携 | 急落ポイントで離脱したユーザーの実際の行動を確認 |
スクロール率改善のワークフロー例
スクロールヒートマップで急落ポイントを特定
到達率が10%以上低下している箇所をピックアップ
セグメント別に傾向を比較
「スマホだけ離脱が多い」など、デバイス固有の問題を発見
セッションリプレイで「なぜ」を深掘り
急落ポイントで離脱したユーザーのセッションを再生
スクロール速度、戻る動作、迷いの兆候を確認
改善施策を実行し、期間比較で効果検証
同一ページの改善前後のデータを比較
まとめ|スクロール率改善はデータドリブンに進めよう
スクロール率は、ユーザーがページをどこまで読んでいるかを示す重要な指標です。 基本編でヒートマップの全体像を理解した上で、本記事のスクロール率改善の手法を実践することで、より効果的な改善が可能になります。
本記事のポイント
スクロール率は「自社の過去データとの比較」で改善効果を測る
到達率の急落ポイントを見つけ、離脱の原因仮説を立てる
典型的な5つの離脱パターンに当てはまるかチェックする
4ステップ(把握→仮説→施策→検証)で改善サイクルを回す
セッションリプレイと併用すると、原因特定の精度が上がる
スクロール率の改善は、一度で完了するものではありません。 データを見て、仮説を立て、施策を打ち、検証する。 このサイクルを回し続けることで、ページのパフォーマンスは着実に向上します。
Wicleは、ヒートマップとセッションリプレイを無料で利用できます。 まずは自社のページのスクロール率を確認するところから、データドリブンな改善を始めてみてください。
