CV率改善の実践ガイド:Wicleを活用したCV率が低い要因の探索方法

Webマーケティングでは、コンバージョン(CV)を最大化するために、Google広告やMeta広告、検索エンジン最適化(SEO)を通じてWebサイトへの集客を強化することが一般的です。
しかし、Webサイトへの流入を増やすだけでは、期待する成果=コンバージョン(CV)にはつながりません。「来訪したユーザーがどれだけCVしているか」、すなわちCV率を高める取り組みも、サイトへの集客強化と同等に重要です。
広告費用を増やし続けても、CV率が維持できなければCVは増えず、広告効果を最大化することはできません。
本記事では、プロダクトアナリティクスツール「Wicle」を活用して、CV率を継続的に改善するための実践的なステップをご紹介します。
CV率とは?
CV率(コンバージョン率)とは、サイト訪問者のうち、購入や問い合わせ、会員登録といった目標を達成したユーザーの割合を示す指標です。
計算式:
CV率 = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100(%)
CV率改善のために押さえておくべき分析のコツ
CV率が低い要因を分析するために、Webサイトへの流入経路ごとのCV率や、どのページからCVしているかを把握する目的で、Google アナリティクス 4(GA4)などのWeb解析ツールがよく利用されます。
ただし、それだけではCV率が低い要因を特定できないケースも少なくありません。
CV率改善における分析のポイントは、ユーザーの行動ステップを段階的に把握し、ボトルネックとなっているポイントを特定することです。
CV率を改善する上で重要な3つの視点
CVに到達するまでの流入チャネルごとのファネル(各ステップの通過率)を可視化。
離脱が多いステップを特定し、ページ行動傾向やアクションから課題の仮説を立てる。
定量データだけでなくユーザーの「行動パターン」「具体的な行動」を捉えて、ユーザー心理を理解する。
Wicleを活用したCV率が低い要因分析のステップ
CV率が低い要因を探索する分析の流れをWicleの機能を交えながら以下のステップで紹介します。
ステップ1 全体の行動傾向を掴む:ファネル分析
ステップ2 ページごとの行動傾向を把握する:ヒートマップ
ステップ3 個別の行動から示唆を得る:セッションリプレイ/n1行動分析/AI要約
ステップ1 全体の行動傾向を掴む:ファネル分析
Wicleでは、ユーザーの行動導線をファネル形式で可視化できます。
たとえば「Meta広告→LP → 料金 → 資料DLフォーム → 資料DL完了」や「LP → スクロール50%以上 → 資料DLフォーム → 資料DL完了」といった一連のステップにおいて、どの地点で離脱が発生しているかを数値で把握することが可能です。
ユーザー行動経路の可視化

「重要なページに遷移しているか」「スクロールしているか」「活動時間が60秒以上か」など、CVに至るまでのユーザー行動を分解して定量的に確認することで、どの数値に課題があるのかを明確にできます。
ステップ2 ページごとの行動傾向を把握する:ヒートマップ
ファネル分析で離脱ポイントを特定したあとは、該当ページ内でのクリックやスクロールの傾向をヒートマップで確認します。
CVボタンがクリックされていない、ページの最後まで閲覧されずに離脱している、といったユーザー行動の課題を発見できます。
クリックされている箇所の可視化

特定ページ内で、ユーザーがよくクリックしている箇所/クリックされていない箇所を、割合と色で視覚的に把握できます。
スクロール状況の把握

ユーザーがページ内をどこまでスクロールしているかを、回数や割合として把握できます。スクロールバーをクリックして該当エリアに移動することで、直感的に離脱箇所を確認できます。
特定条件で絞り込みユーザーのクリック、スクロールを可視化

計測期間や流入元デバイス、広告経由のユーザー、CVユーザーなどを条件としてセグメントを設定することで、対象ユーザーに絞ったクリック率やスクロール率を可視化できます。
ステップ3 個別の行動から示唆を得る:セッションリプレイ/n1行動分析/AI要約
さらに深掘りするには、理想のステップに到達しなかったユーザーの行動を時系列で追える「n1タイムライン」や、ユーザーの操作を動画で確認できる「セッションリプレイ」の活用が有効です。
たとえば「カートに入れたのに購入しなかったユーザー」が、何に迷っていたのか、どこで止まったのかといったポイントを、動画やAIによる要約で再現できます。
数値だけでは見えない「行動の文脈」を把握し、改善の糸口を探ることができます。
特定ステップへ未到達のユーザー群を抽出

指定したページへの到達/未到達、CV済み/未CVといった条件でユーザー群を抽出できます。到達率だけでなく、該当するユーザーの詳細な行動を閲覧できるページへ遷移することが可能です。
AI要約で行動をクイックに把握

流入後のユーザー行動をタイムライン上で確認できるだけでなく、AIが1日の行動を要約します。詳細な行動把握にかかる時間を短縮できます。
セッションリプレイでユーザー操作を動画で確認

テキスト情報だけでは伝わりづらいユーザーのマウス操作やページ遷移の流れを、動画で再現・確認することで、ユーザーの意図やつまずき箇所をより高い解像度で捉えることが可能です。
改善施策の立案とフィードバックループ
これまでに得られた示唆をもとに、ページのUI/UXの改善、CTA文言の見直し、フォーム項目の削減などの施策を検討します。
その後、再びWicleでユーザー行動をトラッキングし、施策による改善効果を定量的に測定することで、継続的なフィードバックループを実現できます。
課題 | 改善施策 | 観測指標 |
メインビジュアルの閲覧は高いが、CTAボタンがクリックされない | 無料訴求でCTAボタンのクリック増加 | クリック率・CV率 |
ページをしっかり見ているが、CTAボタンがクリックされない | ・CTAボタンの色・文言を変更・複数箇所にCTAボタンを追加 | クリック率 |
流入後、ページ途中で離脱するユーザーが多い | ・メインビジュアルのコピーを変更・ページ下部にある人気コンテンツをページ上部に配置 | スクロール率 |
まとめ
Wicleは、単なるセッション数やクリック率の可視化にとどまらず、「ユーザーがなぜCVしないのか」を、具体的な行動ログに基づいて深掘り・可視化できます。
フリーミアムプランでも高度な分析が可能になるよう、機能制限は最小限に抑えています。タグを1行設置するだけで、ユーザーの行動データを自動で蓄積できます。
まずはぜひ、お試しください。
プロダクトアナリティクスツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
プロダクトアナリティクス(プロダクト分析)とは?