CVRが下がった原因を特定する方法|BtoBサービスサイトの診断チェックリスト

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CVRが急に下がった、あるいはずっと低いまま改善の兆しが見えない。BtoBサービスサイトを運用していると、こうした状況に直面することがあります。
原因を探ろうにも、「アクセス解析を見てもどこに問題があるかわからない」「施策を打っているのに数字が動かない」という悩みは尽きません。
CVRが低い原因は、1つではないことがほとんどです。集客、ページ設計、フォームなど、複数の要素が絡み合っています。この記事では、BtoBさーサイトでCVRが低迷する代表的な5つの原因を整理し、自社で原因を特定するためのチェックリストを用意しました。診断結果をもとに、次のアクションを見極める手がかりになるはずです。
CVRが下がったときに確認すべきこと
CVRの数値が下がると、真っ先に「何か施策を打たなければ」と焦りが出ますが、まずは冷静に状況を確認しましょう。
最初に確認すべきは、「いつから」「どの程度」変化したのかです。月単位の推移を見て、急激な低下なのか緩やかな低下なのかを把握しましょう。急激な低下であれば、サイト改修や広告設定の変更など直近の変更が原因である可能性が高いです。緩やかな低下であれば、市場環境の変化や流入の質の変化など、構造的な問題を疑う必要があります。
数字の変動だけでは原因はわからない
CVRの数値だけを追いかけていても、原因にはたどり着けません。CVRは複数の要素が絡み合った結果の数字だからです。
アクセス数が急増してCVRが下がったのか、アクセス数は変わらないのにCV数が減ったのか。この違いだけでも、疑うべきポイントはまったく異なります。前者なら集客の質に問題がありますし、後者ならページやフォームに離脱の原因があるでしょう。
CVRの変動を「分母と分子」に分解して見ることが、原因特定の第一歩になります。
CVRが低い原因を構造的に捉える考え方
CVRの原因を場当たり的に探しても、効率が悪いです。構造的に捉える枠組みを持つことで、原因の見当がつけやすくなります。
CVRを左右する3つのレイヤー
CVRは、大きく3つのレイヤーに分けて考えるとわかりやすいです。
1つ目は「集客の質」です。サイトに訪れるユーザーが、自社の商材に関心のある層かどうか。ターゲット外の流入が多ければ、ページの内容がどれだけ良くてもCVRは上がりません。
2つ目は「ページ体験」です。訪問者がページ上で十分な情報を得られ、「この会社に相談してみよう」と思える状態になっているか。LPの構成、表示速度、モバイル対応などが含まれます。
3つ目は「CV導線」です。問い合わせや資料請求に至るまでの動線がスムーズかどうか。CTAの設計やフォームの使いやすさが該当します。
CVRが低いとき、この3つのどこにボトルネックがあるかを特定することが、改善の起点になります。
BtoBサービスサイトでよくあるCVR低迷の5つの原因
3つのレイヤーを踏まえたうえで、BtoBサービスサイトに多い具体的な原因を5つ取り上げます。自社のサイトに当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。
ターゲット外の流入が増えている
SEO記事やリスティング広告で集客していると、意図しないキーワードからの流入が増えることがあります。BtoB向けの業務ツールを提供しているのに、個人利用を想定した検索クエリで流入しているケースが典型です。
Google Search Consoleで流入キーワードを確認し、想定ターゲットと一致しているかをチェックしましょう。ズレが大きいなら、コンテンツの方向性や広告のキーワード設定を見直す必要があります。
LPの訴求がユーザーの期待とズレている
検索結果や広告をクリックしたユーザーは、何かしらの期待を持ってページに来ています。その期待とLPの内容がズレていると、ファーストビューの時点で離脱されます。
よくあるのが、広告の訴求とLPの内容が一致していないケースです。広告では「無料で試せる」と謳っているのに、LPを開くと料金プランの説明が中心になっている。こうしたギャップはユーザーの信頼を損ない、離脱を招きます。
CTAが見つけにくい・行動を促せていない
ページの内容に興味を持ったユーザーが、次に何をすればいいかわからない。この状態が、CVRを下げる見えにくい原因になっています。
CTAボタンがページの下部にしかない、ボタンの色が背景に埋もれている、文言が「お問い合わせ」だけで行動のイメージが湧かない。こうした問題は、改善の手間が小さい割にCVRへの影響が大きいです。
フォームの入力ハードルが高い
CTAをクリックしてフォームに到達しても、入力項目の多さや使いにくさで離脱されるケースは多いです。BtoBサービスのフォームは項目が10個を超えることもあり、心理的なハードルが高いです。
フォーム到達数に対する送信完了数の割合(フォーム通過率)を計測すれば、フォームがボトルネックかどうかはすぐに判別できます。通過率が20%を下回っているなら、フォーム設計の見直しが急務です。
サイトの表示速度やモバイル対応に問題がある
ページの表示に3秒以上かかると、離脱率は大幅に上昇します。スマートフォンからのアクセスが増えているBtoBサービスサイトでは、モバイル表示速度の低下がCVRに直結します。
Google PageSpeed Insightsで自社ページのスコアを確認してみてください。スコアが50以下であれば、画像の圧縮やコードの最適化など技術的な改善が必要になります。表示速度の問題は見落とされがちですが、すべてのレイヤーに影響します。
自社サイトのCVR診断チェックリスト
5つの原因を把握したうえで、自社サイトの状態を診断するためのチェックリストを用意しました。3つのレイヤーごとに確認項目を整理しているので、1つずつ確認してみてください。
原因特定のためのチェック項目一覧
確認カテゴリ | チェック項目 | 問題ありの目安 |
集客の質 | 流入キーワード上位20件がターゲット層の検索意図と一致しているか(Google Search Console) | 意図と無関係なキーワードが半数以上 |
集客の質 | 広告経由とオーガニック流入でCVRに大きな差がないか | チャネル間でCVRが2倍以上乖離 |
集客の質 | 直帰率が極端に高いページがないか | 直帰率70%以上 |
集客の質 | 新規流入とリピーターでCVRの傾向に違いがないか | 新規のCVRが極端に低い |
ページ体験 | ファーストビューで「誰向けの、何の情報か」が伝わるか | 3秒以内に判断できない |
ページ体験 | 広告やSEO記事の訴求内容とLPの内容が一致しているか | 訴求とLPの主張がズレている |
ページ体験 | ページの表示速度がモバイルで十分か | 表示に3秒以上かかる |
ページ体験 | スクロール率に不自然な落ち込みがないか | ページ途中で大量離脱している箇所がある |
CV導線 | CTAボタンがファーストビューとページ下部の両方に配置されているか | どちらか一方にしかない |
CV導線 | CTAの文言が具体的な行動をイメージできるものになっているか | 「お問い合わせ」のみで具体性がない |
CV導線 | フォームの入力項目数は適切か | 必須項目が5つ以上ある |
CV導線 | フォーム通過率(到達数に対する送信完了数の割合)を計測しているか | 未計測または通過率が低い |
集客の質に問題があればキーワード戦略や広告ターゲティングの見直し、ページ体験に問題があればLPの設計やコンテンツの改修、CV導線に問題があればCTA設計やフォーム最適化(EFO)が改善の優先事項になります。
診断結果をもとに改善を進めるには
チェックリストで原因の見当がついたら、次は改善に移ります。すべてを一度に直そうとしないことが、着実に成果を出すコツです。
原因に応じた改善施策の選び方
診断結果が「CV導線」の問題であれば、CTA設計の見直しやフォーム最適化から着手します。CVに近い施策ほど、変更が小さく効果が見えやすいです。
「ページ体験」に問題があれば、LPのファーストビュー改善や訴求内容の見直しが優先になります。「集客の質」が原因であれば、キーワード戦略や広告ターゲティングの再設計が必要で、効果が出るまでに時間がかかります。
原則は、CVに近いレイヤーから順に改善することです。A/Bテストで効果を検証しながら、段階的に上流のレイヤーへ広げていく進め方が、リソースの限られる中小企業には合っています。
コンテンツの力で集客の質を高める
CVR改善というとLPやフォームの改善に意識が集中しがちですが、サイトに流入するユーザーの「質」を左右しているのはコンテンツです。
検索経由で記事に訪れた読者が、自社サービスに関連するテーマで有益な情報を得る。記事を通じて信頼感を持ち、サービスページに遷移し、問い合わせに至る。この流れの起点にあるのが、コンテンツの質です。ターゲット層に刺さるコンテンツを継続的に発信できれば、流入の質が上がり、CVRの改善につながります。
Wicleを活用してCV率改善をするための具体的な手順は、「CV率改善の実践ガイド:Wicleを活用したCV率が低い要因の探索方法」で解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
