プロダクトアナリティクス(プロダクト分析)ツール選びのチェックポイント

By Yoshinari Kawachi
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目次

プロダクトアナリティクスツールを導入することで、プロダクトの利用状況を可視化し、継続率の向上や機能改善の指針を得られます。ただし、すべてのプロダクトアナリティクスツールが自社に適しているわけではありません。プロダクトの成長フェーズやチームの分析リテラシーを考慮し、最適なツールを選定することが重要です。

本記事では、「どのツールが自社に最適なのか分からない」といった課題を解決する、実践的なチェックリストをご紹介します。

プロダクトアナリティクスツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
プロダクトアナリティクス(プロダクト分析)とは?

導入目的とKPIの明確化

なぜツールを導入するのか?

プロダクトアナリティクスの取り組みを事業全体の目標達成につなげるには、まず明確な目的設定が不可欠です。目的が曖昧なままでは、効果的なツールの選定はもちろん、導入後の活用も困難になります。

  • 目的の例

    • ユーザーの定着率を向上させたい

    • 売上に貢献する重要な機能の利用状況を把握したい

    • 休眠ユーザーのアクティベーションを促進したい

 何を測るべきか?—KPI設定のポイント

目的が定まったら、測定するための具体的なKPIを設定します。「何を改善すれば目標達成したか」というKPIがなければ、継続的な改善活動につながりません。
KPIは「見たい指標」ではなく、「改善したい指標」を設定することが重要です。

  • KPIの例

    • リテンション率:継続利用の指標

    • アクティブユーザー数:日次・月次の利用状況

    • ユーザーフロー:特定ゴールへの到達率や離脱率

適切なプロダクトアナリティクス(プロダクト分析)ツールの選び方

ここから、具体的なチェックポイントを紹介します。

収集できるデータ

分析の質は、取得できるデータの範囲と精度に大きく依存します。
クリックやスクロール、フォーム入力などの基本イベントを自動で収集できるか、特定のカスタムイベントを設定できるか、外部データとの連携は可能か、データの保持期間や拡張性も確認しましょう。

チェック項目

    □自動で収集できるイベントデータは何か

    □拡張可能はデータは何か

    □外部データを取り込むことは可能か

    □データの保持期間はどのくらいか

    □増加するデータ量に耐えられるか

ポイント

初期段階では「完璧なデータ」よりも、「最低限必要なデータを確実に収集する」ことを優先しましょう。
新規ユーザーの初回アクション、コア機能の利用頻度、離脱直前の行動など、重要な指標に集中することで生産性が向上します。

セットアップの容易さ

「導入のハードルが高く、実装が遅れる」といったケースは珍しくありません。

専門的な知識がなくても扱える直感的なUIや、学習を支援するドキュメント・サポート体制の充実度も重要な検討要素です。

チェック項目

□複雑な設定なしにデータ収集が可能か

□専門的な知識がなくても導入できるか

□学習に必要なドキュメントやサポート体制は整っているか

ポイント

「実装の容易さ」と「詳細なデータ取得」はトレードオフになりやすいため、まずは基本的なユーザー行動の把握から始め、仮説検証に必要な項目を徐々に追加するのが効果的です。

運用の手軽さ

「データはあるのに、分析に多くの時間がかかる」という課題に直面したことはありませんか?

必要な指標をすぐに取得できるか、ダッシュボードやレポート機能で作業負荷を減らせるかを確認しましょう。

チェック項目

□必要な指標をすぐ取り出せるか

□ダッシュボードやレポートで分析作業の負担を軽減できるか

□フィルターや検索機能により迅速にデータへアクセスできるか

□目的別のレポートやフレームワークがあるか

ポイント

定期レビューが必要な場合は、カスタムダッシュボードが用意されているツールを選ぶと、業務効率の向上につながります。閾値のアラート機能があれば、早期に課題を発見できます。

エンジニア以外のメンバーも使いやすいか

データ活用の真価は、組織全体でデータに基づいた意思決定ができるようになることです。そのためには、ITリテラシーが高くないメンバーも使いこなせることが重要です。

□ UI/UXは直感的で学習コストが低いか

□エンジニア以外のメンバー(PdM、カスタマーサクセス)でも簡単に分析できるか

□部門間でデータの解釈を統一できる仕組みがあるか

□分析結果をチーム間で簡単に共有できるか

ポイント

導入後の成功には、チーム全体の巻き込みが欠かせません。

各部門のキーメンバーを招いて課題別にダッシュボードを共有し、週次や月次でデータレビューを定例化することで、全員が同じ指標で議論できる体制を築きましょう。

まとめ

自社に適したプロダクトアナリティクスツールを選定するためには明確な目的設定とKPIの設計が不可欠です。また、データの収集範囲や拡張性、運用の手軽さ、メンバーの使いやすさなどを総合的に見極め、実際の業務にフィットするツールを選定しましょう。

Wicleは、プロダクトチームが容易にデータ分析できるよう設計されたプロダクトアナリティクスツールです。タグ1つでスクロールやクリック、フォーム入力などの行動データを自動収集し、ライフサイクル分析やファネル分析などのフレームワークを通じて、直感的にユーザーの定着度や行動フローを素早く確認できます。

まずは「最小データセット」で導入し、効果を実感することが成功への第一歩です。スモールスタートで、着実にデータ活用を進めましょう。

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